河野氏の「年金改革案」に他候補がいら立つ事情 前編/自民党総裁選の政策論争の争点

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河野太郎氏が打ち出した年金の抜本的改革案。河野氏の主張がほかの候補者とかみ合わないのには理由がある。

日本記者クラブ主催の公開討論会では、河野氏の年金改革案に対して次々と他候補者からの異論が巻き起こった(写真:EPA=時事)
河野太郎規制改革相が打ち出した「年金の抜本的改革案」。それが波紋を呼ぶ理由と問題点、今後の政策議論に生かすための教訓について2回に分けてお届けする。前編の今回は、河野氏と他候補者の間に距離ができた背景状況を読み解く。

 

自民党総裁選は9月29日の投開票に向け、政策をめぐる討論会が花盛りだ。そうした中で、河野氏が掲げる年金改革案をめぐって、岸田文雄前政調会長や高市早苗前総務相などが問題点を次々と指摘し、議論が白熱している。

4人の総裁選候補の中で河野氏の主張が他候補者とかみ合わないのはなぜか。この対比は、実は年金制度や制度改革の流れを理解するうえで非常に興味深いものだ。

河野氏は、基礎年金を全額消費税財源に替えた最低保障年金や積立方式所得比例年金の導入を主張している。その理由として、「年金制度の改革をやらなければ、若い人たちの将来の年金生活が維持できない。今の年金制度は維持できても、将来の若者の受け取る金額は減ってしまう」と話す。

こうした将来像は、一般の人たちにはスッと受け入れられるが、実は年金制度に詳しい人であればあるほど、「そんなに単純ではない」と受け止められることが多い。

政府の試算はどうなっているか

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