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対中強硬策の実利は小さい 経済は壊れ、外交も断絶

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西側諸国では中国脅威論が強まっているが、その中国は圧倒的な経済力を誇り、今も成長を続けている。世界は厄介なジレンマを抱えるようになったということだ。中国としのぎを削るもう1つの経済大国・米国がコロナ禍の対応に手こずり、経済に大打撃を受けていることを考えれば、ジレンマは深まる一方といってよい。

米中関係、あるいは西側と中国の関係を考えるうえでは、経済だけでなく、安全保障、外交、文化などさまざまな要素を勘案する必要がある。中国の問題行動に強硬策で挑もうとする西側の指導者は、中国がもたらす経済的なメリットに対して、強硬策がもたらすデメリットはどれくらいになるかを見極める必要があるということだ。

英国を含む欧州各国の政府は、すでにそのような損得勘定に基づいて対中戦略を決定してきたと私はみている。しかし、政策担当者はもっと突っ込んだ命題を自らに問わなければいけない。中国の政策を好ましい方向に変えるには、経済で深い関わり合いを持つのと、断固たる姿勢で対決を挑むのと、どちらがより効果的なのかという命題だ。脳みそが中国脅威論で凝り固まっていては、こうした命題に答えを出すことはできない。

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