ここ5年、足踏み状態が続いていた日立製作所。だが、その間に収益力を改善し、地力を上げた。今後どうするのか。改革の実像と今後の課題を3回連載で追う。
巨艦は静かに、着実に地力を高めている。
日立製作所はリーマンショック直後の2009年3月期、当時の日本の製造業で最大となる7873億円の最終赤字に沈んだ。その2年後に20年ぶりの最高益をたたき出し、翌期も最高益を更新して、脚光を浴びた。だが、その後は足踏みし、踊り場が5年続いていた。
日立は近年、経営計画を3年ごとに策定している。重要な数値目標として掲げているのが営業利益率だ(15年3月期以降は国際財務報告基準〈IFRS〉に移行したため調整後営業利益で算出。推移は下図)。
しかし、13年3月期の5%超、16年3月期の7%超という目標はいずれも未達に終わっている。
三度目の正直となる19年3月期の目標は8%だ。これについて 東原敏昭社長は今年4月の経営説明会で「目標(8%)を達成できる段階まで来た」と自信を示した。実際、18年4~9月期に7.7%を記録。日立は下期に利益が膨らむ傾向があるため、19年3月期の8%は十分射程圏内にある。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら