29年目CEO あと10年の使命 エーザイ内藤王国
大型薬の特許切れから認知症薬で大逆転へ。この先10年が、独特の企業理念と歩む製薬企業の正念場になる。
「われわれは前人未踏の高い山に登ろうとしている。今をベースキャンプとして、10年かけて雲の間に見える頂上を目指す」
今年3月、東京・小石川のエーザイ本社。内藤晴夫CEO(最高経営責任者)はホール内を絶えず動き回りながら、2016年度から10カ年の新経営計画「EーWAY 2025」について熱弁を振るった。記者やアナリストにとってはすっかりおなじみの風景である。
しかし今回、その内容には異変があった。エーザイの経営計画としては初めて10年という長い期間が設定されたのである。薬価引き下げなど国の政策の影響が避けられないのが製薬業界。10年のビジョンを策定しても、それは絵に描いた餅になりかねない。
内藤はこう話す。「10年かかって何になりたいのかがわからないなら、10年にする必要はない。10年後の像が見えたので、そこに向かってストラテジーを考えた。未踏峰にはいきなりは登れないんだ」。
エーザイ創業社長の孫として生まれた。3代目社長に就任したのは1988年4月。実に40歳の若さである。役員は全員年上。先代の父、祐次からは一言こう言われた。「役員人事だけは気をつけろ。熟柿が落ちるようにやれ」。
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