大企業がベンチャーとの協業に活路を見いだし急接近。一方で"バブル"の様相も帯び始めている。
まさに日本のベンチャーにとって、歴史的瞬間だった。
1月22日、東京都内のホテルで開催された第1回日本ベンチャー大賞の表彰式。出席した安倍晋三首相が内閣総理大臣賞の表彰状を手渡した相手は、ユーグレナの出雲充社長だった。ユーグレナはミドリムシを使った健康食品やバイオマス燃料などを手掛けている。
表彰式で安倍首相は「産業の変革の担い手となるのがベンチャー企業」と、起業家たちにエールを送った。「日本の首相が直接ベンチャー経営者を表彰するのはおそらく初めて。記念すべき日」。この表彰式を取りまとめた経済産業省新規事業調整官の石井芳明氏は感慨深げに語る。
表彰だけでない。政府は直接的なベンチャー支援にも前向きだ。昨年9月には、経産省主催でベンチャー創造協議会設立カンファレンスを開催。これは日本ベンチャー大賞と同様、昨年6月に閣議決定された「日本再興戦略 改訂2014」に緊急構造改革プログラムとして盛り込まれた取り組みの一環だ。当日はトークセッションのほか、ベンチャー447社、大企業97社とのマッチングイベントも行われた。
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