日本全国で523の自治体が2040年時点で人口1万人を切り、このままでは消滅する可能性が高い、と元岩手県知事の増田寛也氏が座長を務める日本創成会議・人口減少問題検討分科会が推計している。これら市町村の現在の人口は合計で500万人を超える。
すでに全国で高齢者380万人が買い物難民になっている。地元の商店が商売を維持できないうえ、高齢者が自動車を運転しないからだ。こうした難民は25年に600万人に達すると予想される。
実態を確かめるべく、和歌山県紀美野町を訪ねた。紀美野町の人口は数十年前には約1万5000人だった。今は1万人を下回り、人口の40%は65歳を超える高齢者だ。子供たちは遠くの大学に行ったきり、ほとんど戻ってこない。つい先頃ある小学校が実質廃校になった。
政府は国内の田舎町を維持するために農家への戸別補償や公共投資などで気前よく多額のカネをつぎ込んできた。OECD(経済協力開発機構)によれば、全農家の収入の半分は政府の補助金だ。さらに安倍晋三首相は新たな「再活性化」政策の実施を表明している。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら