日本銀行ははっきりと降参の白旗を上げてはいないが、灰色の旗を出している。2013年3月に黒田東彦氏が総裁に就任した際、彼は「2-2-2プログラム」というものを掲げた。これは、2年間で、2%のインフレ率を、いわゆるマネタリーベースを2倍にすることで達成しようというものだった。
日銀は日本国債を大量に買い入れてマネタリーベースを倍増させたが、逆に民間保有分が減少し、1年物と2年物の国債金利がわずかにマイナスになるほどだった。また、全体の5分の1の銀行貸し付けには、0.5%以下の金利を課している。
にもかかわらず、日銀は大部分のエコノミストたちがずっと言ってきたことを最終的に認めざるをえなくなった。2年で2%のインフレ目標は無理なのだと。
13年4月、黒田氏率いる日銀政策委員会は14年度のインフレ率は1.4%(生鮮食品と消費増税分を除いて)になると約束していた。しかし今年1月21日、日銀は予測を0.9%に下方修正した。そして多くのエコノミストがこの数値はまだ高すぎると見ている。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら