ホンダが｢新車ネット直販｣を開始 新手法に販売店の複雑胸中

若年顧客の開拓は急務。ただ、既存販売店からは警戒の声も上がる。

ホンダオンではスマートフォンに最適化した利用体験も追求。店舗の口コミを載せるなど、申し込みのハードルを下げる工夫を凝らす

新たな事業モデルを生み出すのか、それとも既存事業を脅かすのか。

本田技研工業（ホンダ）は10月から、新車オンラインストア「Honda ON（ホンダオン）」を始めた。新たに設立した子会社・ホンダセールスオペレーションジャパンが運営する。

サイトでは商品情報の閲覧に加え、支払額の見積もりや手元にある車の中古買い取り査定、契約までを一括で行うことができる。ホンダによると、新車の商談から契約までをオンラインで行えるサービスは、国内自動車メーカーとして初めてだという。

まずは東京都内在住者に利用を限定。車の利用料金にオプション料金、車検料など維持費を加算し、契約期間（3年または5年）にわたって月額で支払うサブスクリプション（定額課金）サービスから展開する。

取り扱うのは軽自動車の「N-BOX」（約3万1000円～）、登録車の「フィット」（約4万2000円～）など4車種。納車やアフターサービスは都内のホンダ系販売店約80店舗が担う。来年以降は対象地域を徐々に拡大、新車の直販も数年内に開始する。