過重労働が日本にはびこる真因 匿名座談会・労基署監督官の告発
過重労働により健康を害したり命を落としたりするケースが後を絶たないのはなぜか。労働行政の現場に立つ当事者が語る。
[ポイント1]
電通で起きた過労自殺事件をきっかけに過重労働への関心が高まっている。企業を監督・指導する労働基準監督官たちは現状をどう見ているのか
[ポイント2]
電通事件の対応は後手に回っていたという。労基署監督官もご多分に漏れず人手不足。臨検の中身よりも件数が人事評価の指標として評価されるのが現状だ
[ポイント3]
時間外労働に60時間などの上限を設けることについては一歩前進と評価。ただ、そのためには企業に労働時間を正しく把握させなければならないと語る
安全に働ける職場環境を守るため、労働基準法などに基づいて企業を監督・指導するのが労働基準監督官(1)だ。電通で起きた新入社員の過労自殺事件をきっかけに、過重労働(2)大国ニッポンをどう変えるかに国民の関心が集まっている。現場の監督官たちは現状をどう見ているのか。現役の3人が匿名を条件に語ってくれた。
(2)過重労働 労働時間の長さや不規則性、ノルマといった仕事の強度から総合的に判断される。なお「過労死ライン」と呼ばれる時間外労働時間は月100時間または2~6カ月での月平均が80時間。
電通事件の対応は後手に回っていた
──監督官の一人として、電通事件をどのようにとらえましたか。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら