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北朝鮮が「新戦略兵器」? 強硬姿勢アピールの舞台裏 「強硬路線に進む」との見方が年初に広がったが…

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「今年の北朝鮮は強硬路線に進む」との見方が年初に広がったが…。

本誌コラムニスト:福田恵介
写真:昨年末の総会での「新たな戦略兵器」発言が尾を引き、強硬路線を取るとみられた金正恩委員長。だが本音は経済成長だ

今年の北朝鮮は、これまでのところ静かだ。核実験にミサイル発射が相次いだ2017年のような緊張は感じられないし、18、19年のような米国や韓国との友好ムードもない。

一方で、「今年の北朝鮮は強硬路線に進む」との見方が年初に広がった。それは、金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長が、米国に向けて強硬発言をしたとみられたためだ。1月1日に北朝鮮メディアは、19年末に開催された同党中央委員会第7期第5回総会の報告を伝えた。米国が従来の経済制裁の強化といった厳しい態度を今後も続けるのであれば、「新たな戦略兵器を目にすることになるだろう」との金委員長の発言が報じられたのだ。

核保有国を自認する北朝鮮にとって、「戦略兵器」とは核兵器のこと。そのため、17年のような核実験やICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験を今年は再開するのかとの疑いを強く持たれたのである。

もう1つ、注目すべき点がある。19年4月に金委員長が行った「施政演説」だ。ここでは「米国側の態度の変化を年末まで待つ」と述べた。さらに、年末までに米国が経済制裁の一部解除・緩和を行わなければ、北朝鮮は「新たな道」へ進むと金委員長は宣言した。

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