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口で言うのは簡単だが、実際に成立させている飲食チェーンは多くない。修行を積んだ職人が一店で振る舞うからこそ、味は守られる。それが料理の世界の常識だ。
ところが、その常識をひっくり返している天丼チェーンがある。「金子半之助」だ。創業者・金子真也さんの手を離れたブランドは、現在オイシーズ株式会社の下で国内38店舗・海外23店舗(2026年3月時点)まで広がり、売り上げは2桁成長を続けている。驚くのは、その厨房に立っているのが必ずしも職人ではないことだ。アルバイトでも、入って2カ月あれば全タネを揚げられるようになるという。それでも味は崩れない。創業時のクオリティを守り続けている。
修行に何年もかかる職人の世界で、なぜそんなことが可能なのか。カギは、徹底した「仕組み化」にある。ただし、それは単なるフォーマット化ではない。仕組み化の出発点となるのは、味の核を握る「タレ」と「油」だ。
外食チェーンの動向や新メニューの裏側を探る、マエノメリ史織さんの連載「外食ビジネスのハテナ特捜最前線Ⅱ」。第2回後編では「金子半之助」の「仕組み化」についてお届けする。
《合わせて読む》→→前編:創業者が手放したチェーンが、コロナ禍「152%成長」へ…祖父の"料理帖"を孫が継いだ天丼店「金子半之助」異色のM&Aの真相
タレの秘密を知るのは、社内で2人だけ タレと油、二つの秘伝
「天丼のタレは、簡単に入手できないよう、厳重に管理しています」
天丼の味の要となるタレについて聞くと、国内事業本部長の長瀬太一さんは、慎重に言葉を選びながらそう答えた。
