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2カ月でアルバイトを"揚げ手"に育てる…天丼チェーン「金子半之助」"職人の味"を全店で再現できる《仕組み化》の正体

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揚げ海老
揚げ海老(写真:オイシーズ)
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「タレには醤油や砂糖とか使われていますよね。煮詰めて寝かす時間はどのくらいですか」

と投げかけると、「秘伝なので」と口を濁す。「醤油のこだわりのメーカーなどありますか」と角度を変えて聞いてみても、「秘伝なので」。どの質問も、柔らかく同じ言葉で跳ね返された。

これ以上タレの詳細は聞けなかったが、わかったことがある。タレの作り方は創業時からいる従業員と、もう一人しか知らない。

「コカ・コーラさんみたいな感じで、配合を知っている人は世界に2人ぐらいって言っておいていただけると夢があるんですが」

長瀬さんは、そう冗談まじりに付け加えた。

タレは専用施設の限られた場所で調合され、瓶詰めにして全国・海外の全店舗に送り届けられる。各店舗でタレを作ることはしない。だから、どの店で食べても「同じ味」が出せるのだ。

調合済みの揚げ油(写真:オイシーズ)

もう一つ、天丼に欠かせないのが油である。重要なものは油だ。金子半之助は江戸前天ぷらの流儀に従い、ごま油を使う。

「関西では少ないと思いますが、ごま油を使うと揚げ色の濃さとうま味の深さが生まれます」

使うのはごま油と別の油のブレンドで、配合比率は料理によって変えている。タレをかけて食べる天丼と、天つゆにつけて食べる天ぷらでは、ごま油の効かせ方が違うのだという。

どんぶりにはタレの甘辛さに負けない風味が必要で、天ぷら定食には素材の味を引き立てる繊細さが求められる。同じ「金子半之助の天ぷら」でも、メニューによって油の役割が変わる。そこまで計算されている。

タレと油、二つの秘伝が、全店の味を支える土台となっている。

暗黙知を、徹底的に言語化する

揚げ物の大鍋(写真:オイシーズ)

天ぷらを揚げる鍋は茶色い銅鍋をイメージしていた。しかし、意外な返事が返ってきた。

「銅鍋ではなく、金子半之助の特注です。大きさは幅約70cm・深さ30cmと大きいんです。温度が安定しやすいIHを利用していて、大量の油を高温でキープし続けるのに最適なんです。IHだから火災のリスクも防げますし」

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