分析力を鍛えるための3つの方策 ものごとを「分かる」ということ
答えにたどり着くためのカギ
「それが何であるのか」という分析の答えを正しく分かるためのカギとなるのは、どの切り口から構成要素/属性要素を選び取るかという「クライテリア(分類の基準)」である(図表2)。
実際の分析作業を行うケースでは、その分析によって得ようとしている答えが的確に得られるかどうかは、この分析の切り口(クライテリア)として何を選ぶかにかかっている。ビジネス分野における実際の分析においては「利益率を向上させるためにはどうすればよいか」とか「業務処理のスピードを短縮するためのプロセス変更はどうすればよいのか」などの具体的な目的を持って答えを探す場合がほとんどである。このようなケースでは、「利益率を向上させるファクター」や「効率的な業務プロセスの作業と手順」が分析によって求めようとする答えである。このように具体的な答えを求めようとする場合に分析者が有効な答えにたどり着けるかどうかは、適切なクライテリアの設定ができるかどうかにかかっている。
もう1 つ、正しい答えにたどり着くために必要なクライテリアに関する留意点がある。水平的クライテリア群のなかでの選択ではなく、垂直的クライテリア群のなかでの選択が重要な場合もある。垂直の(タテの)クライテリアの設定においても、分析目的にミートした答えを得るためには、適切な細密度/解像度のレベルを選ぶことが重要である。