「ラーメン1000円の壁」という言葉を聞く機会が増えて久しい。原材料費や人件費、光熱費の高騰を受け、首都圏では一杯1000円超えはもはや珍しくない。人気店では1200円、1500円のラーメンにも行列ができ、「美味しい一杯にはそれだけの価値がある」という考え方が徐々に浸透してきた。
そんな時代だからこそ驚かされた。東京・大塚の人気店「Nii」が、月曜日限定で新ブランド「進化論」をスタート。一杯690円という価格でラーメンを提供し始めたのである。
1000円超えが当たり前になりつつある時代に690円。それもチェーン店ではなく、実力派の個人店による挑戦だ。一見すると無謀にも思えるこの取り組みだが、その背景を探ると、単なる「安売り」ではない、飲食店経営の新たな可能性が見えてきた。
信じ難い価格設定…690円「らぁ麺」の実力
「Nii」は、「つけめんTETSU」で経験を積んだ刈屋幸太店主が手掛ける人気店だ。
看板メニューは、のどぐろを使った上品な塩ラーメンや、中華鍋で豪快にあおって仕上げる濃厚味噌ラーメン。基本メニューの価格は1000円で、1200円、1500円クラスのメニューも高い支持を集める。限定メニューも人気が高く、店内はカフェのようなおしゃれな空間。ラーメンだけでなく、お酒を楽しむ客も多い。
さらに、大塚という街の特性を見極めながら、朝ラーメンや夜鳴きラーメンなど、時間帯に合わせた営業スタイルにも積極的に挑戦してきた。
そうした店だからこそ、「690円」という数字には驚きを隠せなかった。しかし、実際に提供された一杯を前にすると、その価格設定はさらに信じ難いものになる。

