スープは豚と鶏の旨味を土台に、その都度厳選した3種類以上の煮干しを使用し、素材それぞれの旨味を丁寧に引き出した一杯に仕上げている。決して安価なラーメンにありがちな物足りなさはない。
具材も妥協がない。豚と鶏、それぞれのチャーシューが1枚ずつ乗り、食べ応えも十分。そして麺は京都の麺屋棣鄂(ていがく)製の極太手もみ麺を採用。もちもちとした食感でスープによく絡み、満足感は価格以上だ。
率直に言って、「690円だから」という前置きなしに評価しても完成度は高い。高級食材を使わなくても、技術と構成力によってここまでの一杯を生み出せる。刈屋店主の実力を改めて感じさせるラーメンだった。
どうやって利益を出しているのか?
では、どうやって利益を出しているのか。その質問に対する刈屋店主の答えは意外なものだった。
「月曜日は土日明けなので、週に一回くらいは、お客様にお財布事情を気にせず、美味しい食事をしていただきたいと思ったんです」
さらにこう続ける。
「週1回なので、率直に言えば利益よりも顧客満足度を重視しています」
通常営業と比べれば、価格はほぼ半額。それでも実施する理由は、利益率ではない。刈屋店主は、毎週特定の曜日に割引を実施する店や、閉店間際になると値引きされるデパ地下の惣菜売り場を例に挙げ、「そういう楽しみが自分自身好きなんです」と笑う。

