5年ぶりの「NISSAN」エンブレムの復活は、日本市場回帰への第一歩なのか――。
日産自動車は7月16日、高級スポーツセダン「スカイライン」を大幅改良して今年9月に発売すると発表した。高速道路の同一車線内での手放し運転や車線変更時の運転支援などが可能になる先進運転支援技術「プロパイロット2.0」が目玉だが、ひそかに注目を集めるのがエンブレムだ。
「インフィニティ」エンブレムは5年間で終了
スカイラインは1957年に初代が発売され、現行モデルは2014年に販売が開始された13代目だ。日産車では最も長く同じ名称での販売が続けられている車種で、まさに日産の歴史を体現する象徴的な車と言える。
今回の刷新では型式自体はそのままだが、デザインが一新され、先進安全技術や最新のコネクテッド機能などが付いた。車両本体価格は427万円(消費税込み)から。手放し運転機能があるのはハイブリッドエンジンを搭載したグレードのみで、547万円(同)からになる。
先進安全技術に目がいきがちな今回の大幅刷新だが、日産の日本市場に対する今後の姿勢を占う意味での注目点がある。エンブレムが、日産の海外向け高級車ブランド「インフィニティ」から「NISSAN」に戻ったことだ。
2014年発売の現行モデルで採用されたインフィニティエンブレムは5年間の短命に終わることになったが、そもそもなぜNISSANエンブレムは消えていたのか。
スカイラインがたどった歴史を振り返ると、1999年にフランスのルノーと資本提携した後の2001年に発売された11代目から、海外市場への展開を重視した高級車路線に舵を切ったことが、1つの転機となった。
国内では「スカイライン」、海外では「インフィニティ」ブランドの車種として販売された。13代目の車両価格は前モデルから150万円以上も上昇し、高級車としての位置づけが一層鮮明になった。それを機に、「新しいスカイラインをプレミアムブランドとして位置づけるため」(当時のアンディ・パーマー副社長)として、インフィニティのエンブレムが冠された。
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