「やわらかっ!」
大きめの塊を口に入れたが、すぐにかみ切れる。かむ回数が少なくなり、お喋りをしながら食べ進められるのが嬉しかった。すると、隣の席に見るからにスポーツマンらしい、筋肉質で大柄な男性2人組が座った。30代と10代だろうか。
「今日はたくさん食べよう。エベレストだな」
聞こえた瞬間、この目で1500g級の「エベレスト」が見れることに内心興奮した。
しばらくして人の顔ほどの大きさの肉塊が運ばれてきた。私たちが注文した雲取山と同じお皿だが、ポテトが乗る場所もない。ステーキというより、肉のブロックだ。
最初は遠目で隣のテーブルを眺めていたが、黙ってはおられず、
「エベレストですか?めちゃくちゃ大きいですね」
と話しかけると、快く写真まで撮らせてくれた。
「俺は500、お前は1000いけよ」
と30代男性は10代男性に言い、これまた山の名前が付きそうな大盛りライスと共に、2人はきれいに完食した。
筆者たちは、ステーキとサイドメニューを食べ終えかけたが、もう少し食べたくなり、高尾山270gを注文、合計620gをシェアして満腹となった。
1皿3万円の塊肉体験、豚ならもっと手頃に…
なぜ、このような肉塊でポークステーキを提供しようと考えたのか。
そもそもの発端は、今野さんが妻と2人でニューヨーク発の高級ステーキ店「ウルフギャング・ステーキハウス」で食事をしたことがヒントになったという。高い値段に驚いたというが、大きな塊肉をシェアして食べるという経験そのものがとても楽しく、記憶に残った。
「日本だと、ステーキって基本的に1人前ずつ出てくるでしょ。ウルフギャングみたいなやり方でポークステーキを出したら、1/10とか1/20ぐらいの値段で提供できるんじゃないかなと思ったんです」


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