有料会員登録
ビジネス #NTT AI新拠点の野望

〈現地ルポ〉NTTがAIブーム震源地に新設した「AI開発拠点」の正体…"GAFAM出身エリートたちの異色集団"の全貌

8分で読める 有料会員限定
NTTデータグループが昨年末、米シリコンバレーに設立したAIVista。AWSとエヌビディアで要職を務めた人物が率いる精鋭集団だ(編集部撮影)

INDEX

2025年9月、NTTは国内外で法人向けにITサービスやデータセンター事業を手がけるNTTデータグループ(G)を完全子会社化した。国内通信市場の飽和を見据え、海外IT事業の成長へ本格的に舵を切る狙いがあった。海外事業の再編・統合を経て、NTTデータGはITサービス領域において、世界5位の事業規模を築いている。
26年5月に見直したNTTグループの新たな中期経営戦略では、25年度に約8100億円だったNTTデータGのEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)を、30年度に1.2兆円へ引き上げる野心的な目標を掲げる。そのグローバル戦略の要諦に位置づけるのが「AI」だ。
NTTデータGは25年12月、IT業界の競争環境を大きく塗り替えるAI時代の橋頭堡として、米シリコンバレーに新たな事業会社「NTT DATA AIVista」を立ち上げた。世界のAIブームを牽引する震源地で、日本の巨人はどのように世界市場へ挑むのか。現地ルポで新拠点の実像に迫る。

シリコンバレーのど真ん中にある新会社

オープンAI、アンソロピック、グーグル、エヌビディア――。米西海岸の大都市サンフランシスコから南方に延びる一帯にかけて、世界のAIブームの中心にいるビッグ・テックの本社やAIスタートアップが集積する。世界的なハイテク産業の聖地、シリコンバレーだ。

9月下旬の朝、サンフランシスコ中心部をバスで出発し、ビッグ・テックの通勤バスが行き交うハイウェイ101号線を南へ進むこと約1時間。名門スタンフォード大学からほど近いパロアルト地区のビジネスパークの一角に、日本では馴染みのあるNTTグループのロゴを掲げた建物が出現した。

AIVistaのオフィス外観。社員は35人程度で、GAFAMなどビッグ・テック出身のAIエンジニアが大半を占める(編集部撮影)

内部に足を踏み入れると、インテリアショップのような開放的な空間に、パソコンがずらりと並ぶ真新しいオフィスが広がる。ホワイトボードには、複雑なコードや数式のようなものが無造作に書きこまれていた。ラフな格好のエンジニアが一人、また一人と出社し、熱心に議論を交わす。シリコンバレーのど真ん中にあるこの会社こそ、NTTグループが設立したばかりのAIVistaだ。

シリコンバレーには、現地の情報収集などを目的とする「アンテナ拠点」を構える日本企業も少なくないとされる。NTTデータG自身も以前から、現地スタートアップとの連携を模索する拠点を設けている。

しかし、AIVistaはそうした存在とは一線を画す。単に最新技術やスタートアップの動向を追うのではなく、自らAIソリューション基盤を開発し、事業として世界に展開することを目的とする、れっきとしたNTTグループの実働部隊だからだ。

2/3 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数