外食大手の『サンマルクホールディングス(HD)』が、人気うどん店『つるとんたん』を傘下に収めることになった。
サンマルクHDは17日、『カトープレジャーグループ(KPG)』が運営する『つるとんたん』事業を買収すると発表。買収額は128億円で、今年12月の手続き完了を目指す。
対象となるのは、国内直営14店舗(『つるとんたん』13店舗、『羽田百膳』1店舗)、海外フランチャイズ2店舗、製麺、ギフト商品の販売事業などで、2026年3月期の承継対象事業の売上高は約61億3500万円だった。
サンマルクが買った『つるとんたん』の“ブランド価値”
なぜサンマルクHDは、これほどの金額を投じて『つるとんたん』を手に入れるのだろうか。なぜKPGは、ここまで大切に育ててきたブランドを手放すのだろうか。
今回の買収額128億円に対し、承継対象事業の売上高が約61億3500万円で、売上高倍率は約2.09倍となる。事業売上の規模や店舗数を考えると、外食業界の一般的なM&A相場と比較しても多額の買収額と言えるが、額面上の数字だけでは測れない「つるとんたん」というブランドが持つポテンシャルに対する付加価値が乗った買収額と考えるべきだろう。
『つるとんたん』ブランドの店舗は国内に13店舗しかないが、知名度や認知度は非常に高い。
しかも『丸亀製麺』や『はなまるうどん』、急速に展開を加速させている『資さんうどん』など、他のうどんチェーンとはコンセプトが明確に異なっている。
大きな器、幅広いメニュー、出汁へのこだわり、店舗ごとに異なる空間づくりなどによって、うどんそのものだけではなく店で過ごす体験まで含めて、模倣が困難な独自のブランディングに成功しているのだ。
『つるとんたん』は、1978年に大阪で開業した手打ちうどん店『本家さぬき』を原点とし、1989年に大阪・宗右衛門町で『つるとんたん』1号店を開業したことから始まった。いわば、半世紀近くをかけて育て上げてきたブランドだ。
飲食店はゼロから新しいブランドをつくって認知度を上げ、店舗を増やし、顧客を獲得していかなければならない。しかし『つるとんたん』にはすでに強いブランド力がある。これはサンマルクHDにとって大きな魅力だ。


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