サンマルクHDといえば『サンマルクカフェ』や『鎌倉パスタ』などのイメージが強い。しかし近年、同社のブランドポートフォリオは明らかに変化している。
2024年には『京都勝牛』『牛かつもと村』を傘下に収めた。さらに2026年5月には本社を岡山から京都へ移転し「京都ブランド」を活用したグローバル展開と国内出店の加速、食文化の継承を掲げている。
つまりサンマルクHDは、カフェやパスタを展開する外食企業から、日本の食文化を背景に持つ複数の強いブランドを国内外で展開する総合飲食企業へと、ブランドポートフォリオを組み替えつつあるのだ。
サンマルクHDは、近年、日本食の専門業態を拡充することでインバウンド需要の取り込みとグローバル展開を推進しているが、ここには外食企業を取り巻く環境の変化がある。国内市場だけを見れば、今後さらに日本の人口は減少していく。
外食企業が店舗を増やし続けるには、国内の既存客からさらに利用頻度を高めてもらうか、新しい顧客を獲得する必要がある。
インバウンドの取り込みを加速させるサンマルク
その一つが訪日外国人、いわゆる「インバウンド客」だ。しかもインバウンド客にとって、日本の食は旅行の大きな目的になっている。日本食は日本における重要な観光資源なのだ。
パン、カフェ、パスタという従来のポートフォリオに、『京都勝牛』と『つるとんたん』が加わる。牛かつとうどんは、一見するとまったく別の業態だが、外国人観光客から見れば、どちらも非常に分かりやすい「日本食」である。
しかも、うどんは寿司やラーメンと並ぶ日本食として認識されやすく、商品そのものに「日本らしさ」がある。さらに『つるとんたん』の場合、単なるファストフードではなく、空間や器、メニュー構成などを含めて日本食を体験させるブランドとして成立している。これはインバウンド客との親和性が高いと考えられる。
さらに寿司やラーメンほど競合が乱立しているカテゴリーでもない。インバウンド客の需要を受け止める日本食ブランドを複数持つことは合理性があるのだ。


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