ゼロから新しく「強いブランド」をつくるには時間がかかる。それならば、すでにブランドとして成立しているものを買い、サンマルクHDの出店力や経営基盤を使って広げる。今回の128億円という買収金額には、そうした「時間を買う」という意味があるのだ。
KPGでは業態ごとにブランドスケールを定めており、『つるとんたん』については現在の店舗数を最適なスケールとして設定していたという。つまり、KPGにとって『つるとんたん』は完成形のブランドだ。
しかし、サンマルクHDから見れば『つるとんたん』は店舗数こそ少ないものの、圧倒的な知名度と顧客支持を獲得しており、全国の顧客から出店を待ち望まれているブランドだと捉えている。ここに今回のM&Aにおけるマッチングの面白さがある。
知名度に対して店舗数が少ない
KPGには「つるとんたん」を生み出し、大切に育てる力があった。しかし、さらに店舗数を増やし、全国そして海外へ広げていくには別の能力が必要だった。一方で、ブランドの多角化を目指しているサンマルクHDにとっては、新たな業態をゼロから開発して育てるよりも、すでに完成された人気ブランドを取得して展開する方がはるかに合理的だった。
『つるとんたん』は、ブランドの知名度に対して店舗数が少ない。サンマルクHDが持っているチェーン展開のノウハウや物件情報網を使えば、まだ『つるとんたん』がない場所へ出店することができる。KPGが持っていたのは「ブランドを作り、育てる力」であり、サンマルクHDが持っているのは「ブランドをさらに広げる力」なのだ。
実際、今回の買収でも、サンマルクHDのチェーン展開ノウハウや物件情報網を活用した国内出店の拡大、グループ物流網を活用した調達効率化、既存の海外展開を生かした海外事業の拡大がシナジーとして示されている。


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