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キャリア・教育

【吹奏楽部】は「STEAM教育」の先駆けだった?「理数」「探究」の要素満載なのに、なぜ「情操教育」から進化できなかったのか

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吹奏楽イメージ
次期学習指導要領の議論が進む中、再考すべき「吹奏楽部の価値」とは?(写真:myconcept/PIXTA)
  • 渡郶 謙一 北海道教育大学音楽文化専攻合奏研究室 21世紀現代吹奏楽レパートリープロデューサー

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「音楽は情操教育にいい」――学校吹奏楽部の長所は、まるで判で押したようにそう語られてきた。だが、この聞こえがよい評価が、吹奏楽部が学校教育の中で担ってきた本当の価値を曖昧なまま覆い隠してきたのではないか。

2026年8月、中央教育審議会の教育課程企画特別部会は、次期学習指導要領の「審議まとめ」の素案を公表した。そこでは「深い学び」の実装やデジタル技術の日常的活用が繰り返し強調されており、30年度の小学校全面実施を見据え、日本の教育は今、大きな転換期を迎えようとしている。

現行の学習指導要領でも「探究」や科学・技術・工学・芸術・数学を横断的に学ぶ「STEAM教育」の概念が重視されてきたが、次期学習指導要領に向けた議論ではさらに深化している。各教科で得た知識を実社会の課題解決に生かすこのアプローチは、今後の教育の本質的な基盤となりつつある。

吹奏楽部が自然にやってきたSTEAM教育とは?

実は、国が今まさに求めているこの「教科横断的な深い学び」を、学校吹奏楽部はすでに数十年にわたって実践してきた。

50人規模の合奏を中高生が毎日行い、全国大会に数千団体が参加する。この世界に類を見ない音楽教育のインフラは、誰に設計されたわけでもなく、「情操教育」という曖昧な看板の下、STEAM教育の理想にきわめて近い実践を自然発生的に作り上げてきたのだ。

吹奏楽部の活動をよく観察すると、国語・数学・英語・社会・理科といった主要5教科のすべてと構造的に接続していることがわかる。順に見ていこう。

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