見た目の変化だけではない。新たなスープの設計によって、薬膳の香り、ダシ感、スパイス感がより立体的になり、「辛くない麻辣湯」ではなく、0辛だからこそ成立する味と完成度へと進化していた。
辛さによってスパイスも異なる
さらに興味深かったのは、辛さの作り方だ。一般的にはベーススープにラー油や唐辛子、花椒などを足して辛くしているように思える。
しかし、七宝麻辣湯は違う。0辛専用のスパイスは、辛いスープには使われない。逆に1辛以上になると、別のスパイス構成へ切り替わる。さらに辛さの段階によって使うスパイスも変えているという。
「単純に辛さを足しているだけではありません」
つまり0辛と3辛は、同じスープの辛さ違いではない。それぞれ別々の設計で作られた一杯なのだ。ただ辛くしているだけでなく、それぞれの辛さの段階で最も美味しいチューニングをしているのだ。これは本当に驚いた。
実際、0辛にも熱烈なファンがいる。長年、七宝麻辣湯に通う利用者はこう話す。
「チーパオはずっと0.5辛で食べていました。でも辛いものが苦手な自分には、それでも十分辛かったんです。でも、健康的な外食って意外と少ないから捨てがたい。トッピングを調整すれば1000円くらいで食べられるのも魅力ですし。
そこで、ある日思い切って0辛にしてみたのですが……めちゃくちゃ美味しくて、驚愕したんです。辛味がないぶん薬膳の香りがよくわかるし、スープをごくごく飲めるので満足感もある。刻みニンニクを入れると、不思議と豚骨ラーメンみたいな雰囲気にもなるんです。
刺激を求める人には物足りないかもしれません。でも『辛いのが苦手だから』と麻辣湯を避けていた人には、本当におすすめしたいですね」

