このコメントが象徴しているように、0辛は「辛いものが苦手な人向け」のクオリティを大きく超えている。
一つの完成されたメニューとして、多くの支持を集め始めているのだ。
「神の舌を持つ男」の研究への執念
石神さんの話を聞いていて、最も驚いたのは研究への執念だった。世界中の料理を食べ歩き、数え切れないほどのスパイスを研究する。しかも、研究はどのスパイスを入れるかだけでは終わらない。粉砕方法を変える。粒子の大きさを変える。油に溶かす。加熱する。調味料との組み合わせを試す。その一つひとつで味は大きく変化するという。
「スパイスを何種類使うかなんて入り口なんです。その先の加工方法がもっと重要なんですよ」
料理人というより研究者。そんな印象すら受けた。
新しいレシピができると、まず赤坂店でテストを行う。そこで改良を重ね、直営店へ展開。さらに安定してからフランチャイズ各店へ広げていく。
つまり今食べている七宝麻辣湯も、完成形ではない。石神さんの頭の中には、すでに次の改良案がいくつもある。毎日のように研究を続けながら、確実に前よりも美味しい一杯を目指している。取材の最後、石神さんが話した一言が印象的だった。
「今できたものがゴールではありません」
普通なら「完成しました」と言いたくなるレベルのスープでも、本人にとってはまだ通過点。だから七宝麻辣湯は、チェーン店でありながら常に味が進化し続ける。
麻辣湯と聞くとどうしても辛さに目が向くが、その土台にあるスープこそがこのブランドの真価なのだろう。
私自身、池袋東口店で0辛に感動し、さらに赤坂店で新しい「黒湯」を味わったことで、その考えは確信に変わった。
もし七宝麻辣湯でまだ0辛を頼んだことがないなら、一度ぜひ試してみてほしい。辛さに隠れていた七宝麻辣湯の本当の実力が、きっと見えてくるはずだ。


