「実は、そのスープももう変わるんです」
現在、一部店舗では大幅にリニューアルした新しい0辛スープの提供が始まっており、赤坂店ではすでに先行導入されているという。後日、その赤坂店で新しいスープを試食させてもらった。結論から言えば、池袋東口店で食らったその衝撃を、さらに超えてきた。
「0辛を美味しくすることは、創業当初から決めていました」
石神さんはそう言い切る。
「麻辣湯=辛さありき」ではない
麻辣湯というと、辛さありきで設計された料理を想像しがちだ。しかし七宝麻辣湯では考え方がまったく逆だという。
まず、美味しいスープを作る。その上に辛さを組み立てる。つまり0辛は「辛いものが苦手な人向け」の妥協案ではなく、ブランドの根幹を担う一杯なのである。
「ベースが美味しくなければ、辛くしても美味しくならないと思っています」
だからこそ、七宝麻辣湯では創業以来、0辛の研究を続けてきた。
現在のスープは牛骨、豚骨、鶏を組み合わせ、各店舗で毎日炊き上げている。チェーン店でありながら店炊きを続けていること自体が珍しい。しかも、そのスープは今も進化の途中だ。
今回のリニューアルでは、0辛専用のスパイス粉末と発酵調味料を新たに採用した。薬膳らしい香りだけではない。素材の旨味が何層にも重なり、飲み進めるほど味の表情が変わっていく。
実際に赤坂店で試食すると、その言葉の意味がよくわかった。最初は優しい。しかし飲み進めると薬膳、スパイス、発酵調味料のコクが少しずつ姿を現し、一杯の中で味が変化していく。まるで高級中華のスープを飲んでいるような奥行きだった。
今回のリニューアルにおいて0辛で大きく変わるのは味だけではなく、そのネーミングもである。従来は白濁したスープだったことから「白湯」と呼ばれていた。そこから今回、発酵調味料を取り入れたことで色合いも風味も大きく変化した。そのため今後は、「白湯」ではなく「黒湯(こくたん)」という名称へ変更する予定だという。

