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牛串1本3000円、焼タラバ蟹5500円――。インバウンド客でにぎわう商店街では、こうした価格設定が話題になることが多い。
だが、福岡県北九州市の中心地・小倉の繁華街のすぐ隣にある旦過市場(たんがいちば)は違う。ローストビーフ串は350円、唐揚げは100グラム280円、天然まぐろ丼は1000円。インバウンド客も訪れるが、価格はあくまで地元の日常に寄り添ったままだ。
大正時代、神嶽川のほとりで始まった魚の売り買いを起源とする旦過市場は、水害や2度の大火を乗り越え、「北九州の台所」として100年以上続いてきた。現在は再開発の途上にあるが、その歩みは一般的な「観光地化」とは少し異なる。
観光地化する市場とは異なる道を歩む…「旦過市場」の今
では、旦過はどんな道を選んだのか? モノレールで小倉から2駅目の「旦過」で降りる。改札を出て、案内に従って階段を降りると、もう市場の入り口だった。
ちかっ! 思わず声が出る。市場の入り口を探すつもりでいたが、「北九州の台所」は、こんなにもモノレール駅の近くにあった。横では大きな工事が行われているが、歩いている人も、自転車を引く人も、市場に吸い込まれるように入っていく。人の流れにまぎれて、ヨソ者である私もすんなりと入っていけそうだ。

