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ライフ #歌舞伎町の横顔

「大物芸能人が贔屓にした"のり弁"」「指詰め前のヤクザが最後の晩餐に…」歌舞伎町のレトロな食事処が、70年愛されるワケ

11分で読める
歌舞伎町 ひょっとこ
終戦後、歌舞伎町周辺で移転をくり返しながら営業してきた食事処「ひょっとこ」(撮影:梅谷秀司)
  • 肥沼 和之 フリーライター・ジャーナリスト

INDEX

かつて歌舞伎町のランドマークとして存在した「新宿コマ劇場」。美空ひばり、北島三郎、都はるみなどの大物歌手らが出演し、文化・娯楽の拠点として、52年間にわたって人々を楽しませてきた(2008年に閉館)。

その出演者たちに愛された楽屋弁当が、歌舞伎町で70年以上続く食事処「ひょっとこ」の「のり弁」だ。芸能人だけでなく歌舞伎町の人々にもファンが多く、今でもひょっとこの看板メニューとして人気がある。

歌舞伎町と歴史を共にしてきた、ひょっとことのり弁にはどのようなドラマがあるのか、店を訪ねた。

こじんまりとして、レトロな雰囲気の店構え(撮影:梅谷秀司)
【写真を見る】「これがのり弁…?」北島三郎や由美かおるが愛した「伝説の“のり弁”」と、歌舞伎町とは思えない「レトロな店内」の様子(23枚)

毎日「ウインナーエッグ」を注文するホスト

「お母さん、銀だらの煮つけちょうだい。あとビールをもう一本」
「はーい、ちょっと待ってね!」

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とある平日の18時。常連と思わしき中年男性の注文に、元気いっぱいの声で返すのは佐藤文江さん(71歳)だ。ひょっとこの3代目店主で、客たちから「お母さん」と慕われる存在である。

昭和歌謡が流れる、カウンターだけの店内。ホスト風の男性はスマホを操作しながら生姜焼き定食を、仕事帰りの会社員風の男性はサバ味噌煮定食をほおばっている。定食でおなかを満たすこともできれば、軽くつまみながら酒も飲める。弁当のテイクアウトもできれば、昼にはランチ営業もしている。ひょっとこはそんな店だ。

カウンターの裏側にある厨房で調理する佐藤文江さん(撮影:梅谷秀司)
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