有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ライフ #歌舞伎町の横顔

「大物芸能人が贔屓にした"のり弁"」「指詰め前のヤクザが最後の晩餐に…」歌舞伎町のレトロな食事処が、70年愛されるワケ

11分で読める
歌舞伎町 ひょっとこ
終戦後、歌舞伎町周辺で移転をくり返しながら営業してきた食事処「ひょっとこ」(撮影:梅谷秀司)
  • 肥沼 和之 フリーライター・ジャーナリスト
2/7 PAGES
3/7 PAGES
4/7 PAGES
5/7 PAGES
6/7 PAGES

明さんが初めてひょっとこに来たのは、円さんと交際していたとき。両親の店だと連れて来られ、料理の美味しさや雰囲気に感動していたという。その様子を見て、円さんはひょっとこの魅力を再認識したと明かす。

「主人がすごくお店を気に入って、しょっちゅう来たがって、友達もいっぱい紹介してくれたんです。私は小さい頃から店にいたし、ご飯は美味しいけど『実家の味』という感じだったから、当たり前すぎて魅力がわからなかった。でも、こんなに感動してくれるなんて、ひょっとこってすごい店なんだなと思いました」

文江さんの娘・円さん(撮影:梅谷秀司)

コロナ禍が明けて、平穏な日々が戻った頃、闘病中だった茂さんが死去。文江さんの悲しみや失意は大きかったが、ここでも明さんの「お店をやめちゃだめだ、あと30年はやろう」という言葉が背中を押し、3代目の店主となったのだった。

看板娘の文江さんも70代に「あとどれくらい続けられるか」

ひょっとこの魅力の1つは、何と言っても文江さんの人柄だろう。円さんは、文江さんの性格を、「いい意味で適当なんです」と説明する。

「お客さんのおじ様が、母に何か相談をしていたんです。でも次の瞬間、母が全然違う軽い話を始めて、お客さんも悩み事を忘れちゃったことがありました。気難しいお客さんともすぐ仲良くなって、気づいたら一緒にご飯やカラオケに行っていたことも。ひょっとこの店主が母じゃなかったら、こんなにたくさんの常連さんが来てくれていないと思います」

カウンター越しに文江さんと話をしにくる客も大勢いるという(撮影:梅谷秀司)
7/7 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数