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月曜の夜、串カツ田中。平日にもかかわらず、入店してすぐサイコロを振る音が聞こえた。テーブルごとにどんぶりが置かれ、1本55円の串が次々と卓上に積み上がっていく。
運営するのは、ユニシアホールディングス(旧串カツ田中ホールディングス)だ。2025年4月に投入した「無限串」シリーズは2026年3月末時点、約1年で累計2000万本を突破した。日本人の約6人に1人が体験した計算となる。
値上げが続く居酒屋業界で、なぜこの店だけが客を増やし続けているのか。その仕掛けを紐解いていく。
実際に食べてみた。55円の「解像度」
月曜の夜、串カツ田中 相模原店を訪れた。カウンターに着いてまず感じるのは、注文のハードルの低さだ。10本頼んでも550円。この計算が無意識に働いて、「とりあえず10本」という言葉が自然に口をついて出そうになる。
「無限土手みそホルモン串」は、濃いめの甘辛みそが牛ホルモンにしっかり絡んだ一本だ。衣はサクッと軽く、噛むと脂のじゅわりとした旨みが広がる。こってりとした土手みその風味が、次の一本への食欲を呼び起こす。
対照的に「無限柚子ぽん酢ホルモン串」は、さっぱり系だ。柚子の清涼感とぽん酢の酸味が脂をきれいにリセットし、何本食べても飽きが来ない。脂の旨みとさっぱりさ、2種の交互食いが止まらなくなる設計だ。
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