フジ「わたしの宝物」が描く"生々しい夫婦の姿" 「昼顔」「あなして」に続く、複雑な恋愛ドラマ

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そして第2話では、美羽は宏樹に真実を話して離婚し、ひとりで子どもを育てていこうといったんは決意。病気の母の世話など生活の厳しさを感じていたところ、宏樹から「仕事が忙しくなり、子育ても家事も家庭のことは一切何もしないが、お金の心配はいらない」という話を受け、真実を隠したまま家庭を築いていくことにする。

わたしの宝物 松本若菜
『わたしの宝物』(写真:番組公式サイトより引用)

一方、アフリカで亡くなったと報道されていた稜は、生きていた。そのことを知らない美羽は無事出産。すると宏樹は赤ちゃんを抱いてむせび泣く。この先の波乱の愛憎劇を思わせて、第2話は終わった。

はっきり描かれていない夫婦の謎

この先、父性が宿った宏樹と美羽は、子どもを中心にした仲睦まじいふつうの家庭を築いていくのかもしれない。しかし、どこかのタイミングで美羽は稜が生きていることを知り、子どもを可愛がる宏樹との間で、苦しむことになる。そのときに美羽はどちらを選ぶのか。それが本作の見どころであり、本筋になっていくのだろう。

一方、これまでにはっきり描かれていない謎がある。

美羽と宏樹の夫婦関係はなぜここまで冷え切っているのか。結婚前の同じ職場の2人の様子や、結婚してすぐの頃は、お互いを思いやる優しい男女の間柄に見えた。また、宏樹は仕事のストレスを美羽にぶつけていることを自覚しており、それに対する葛藤もある。

にもかかわらず、仮面夫婦を通り越して、相手を徹底的に無視しながら突き放すように一緒に暮らす冷たい夫婦になっている。

わたしの宝物 松本若菜
『わたしの宝物』(写真:番組公式サイトより引用)

2人の関係性がそうなった理由が何かあるはずだ。それは、2人の心に深い傷をつけたトラウマになる出来事なのだろう。

それが子どもにまつわることなのか。この先、美羽が子どもの父親を選択するときのカギになるに違いない。

第2話までで見られたもうひとつのポイントは、美羽の振り幅の広さだ。

第1話の前半は、モラハラを受けながらも健気に生きる、いつも笑顔の明るい妻だったが、後半では不貞相手の子を夫の子として育てようとする悪女の顔になっていた。

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