ICTを基盤とした先端技術を活用して
「子どもの力を最大限に引き出す学び」を実現
時間・距離の制約なく
良質な学びを提供
個別に最適化された
効果的な学びや支援
「教師の経験知」と
「科学的視点」を融合
学校における
事務を効率化
社会にPCやタブレット、スマートフォンが広く普及する一方で、
学校における教育用コンピューターの配備や無線LANをはじめとした通信ネットワークは脆弱。
ICT環境の整備が不十分で、地域格差も大きい。
教育用
コンピューター
5.4人/台
普通教室の
無線LAN整備率
41.0%
インターネット
接続率
(30Mbps以上)
93.9%
大型提示装置
整備率
52.2%
こうしたハードだけでなく、ICTを活用していくうえでの課題も多い。
どのような場面で、どのような機器を活用するのが効果的なのか、実証的な検証が少ないからだ。
さらに、セキュリティーの確保やプライバシー保護の観点からデータの活用が進まないうえに、
データを扱う機関ごとに収集データの指標が異なることから比較が難しく、
教育の質向上にデータが十分に活用されていない。
2019年から5年をかけて行われる予定だったGIGAスクール構想。
新型コロナウイルス感染拡大の影響による学校の休校措置で、
教育のICT化の必要性を多くの人が痛感し、前倒しで進められることになった。
当初示されたロードマップが下記だ。
1人1台の端末から
個人の教育データを収集・分析し、
1人ひとりにフィードバックする
個別最適化された学びを実現
今年4月に閣議決定された政府の「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」では、次のような方向性が示された。
これを踏まえ、2020年度補正予算案に総額2292億円が計上された。
GIGAスクール構想の加速によって、学校休校時においても、
ICTの活用により子どもたちの学びを保障できる環境を早急に実現するためだ。
小中学校で
1人1台PCを実現
高速大容量通信
ネットワークを整備
全国の自治体・
学校の調達を支援
デジタル教科書・教材など
良質なデジタルコンテンツの
活用を促進
ICTを効果的に活用した
学習活動の例を提示
AIドリルなど
先端技術を活用した実証
各地域の指導者養成、
研修を実施
ICT活用教育
アドバイザーによる
ワークショップを全国で開催
ICT支援員など企業等の
多様な外部人材の活用促進
こうした「1人1台PC」や高速大容量の通信ネットワークといったICT環境の整備が、
子どもたちのみならず、教員の力も最大限に引き出すと期待されている。
子ども1人ひとりの反応を把握しながら、双方向の授業が展開できるのはもちろん、
それぞれの理解度に応じた個別学習が可能になるため、教師はよりきめ細かな指導ができるようになるからである。
グループワークでは、子ども1人ひとりが独自の視点で情報を収集して整理、分析ができ、
それらを即時に周りと共有して議論ができるようになる。
その過程は、情報の真偽を確認しながら考えを深めていくといった
子どもたちの情報活用力を養うことにもつながるだろう。
新しい学習指導要領で盛り込まれた主体的かつ対話的で深い学びにも通じるものだ。
またICTによる遠隔教育は、海外や専門家と連携した授業の実施、
過疎地域の教員不足を補うものとしても期待が大きい。
今後、日本の教育が大きく変わっていく。
GIGAスクール構想の実現は、そのスタートにすぎないということだ。
出所:文部科学省「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策」「平成30年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」
「GIGAスクール構想の実現のロードマップ」「『児童生徒1人1台コンピュータ』の実現を見据えた施策パッケージ」
「令和2年度補正予算案への対応について」を基に作成