世界のトップエリートの話をしよう 容赦なくグローバル化する現代を生き抜くために
(1)型を大事にする
日本人は個性がなく、外国人は個性豊かという偏見がある。しかし、外国人エリートは型を非常に大事にする。型をマスターしてそこから個性を出すのだ。私は日本人も型に忠実になったほうがいいと思う。型を持たずに、出たとこ勝負なのが日本人の特徴ではなかろうか?
たとえば考える型。エリートは間違いなく考えるためのフレームワークを持っている。日本人は考える型を教えられる機会がほとんどないので、型を持って考える癖がついている人は少ないように思われる。それが、私たちが冷静な分析や議論が苦手な原因ではないかと思う。
(2)地道に準備する
一夜漬けが通用する世界はどこにもない。一夜漬けで何とかなるのは、日本の試験くらいだろう。米国の試験は地道な努力が問われるもの。答えを覚えることには意味がない。多くは最初から問いと答えがセットで提示され、問われるのはその答えを導き出す過程だ。
これは理にかなっている。ロジカルシンキングと仮説検証力を鍛えるには、答えを覚えさせる記憶力チェックは不要どころか邪魔にしかならない。まず学生に答えを教えて、それが導き出される過程を問う。このような試験に、一夜漬けは通用しない。それこそ千本ノックのように、常にロジカルに考え、仮説検証力を日常的に自分で磨いていないと回答できない。
(3)タイムコスト意識
エリートには「時は金なり!」を強烈に意識して行動する人間が多い。会議はあまりやらないし、やっても短い。短くて済むのも皆がタイムコストをわかっているから。だから会議の作り込みもしっかりしている。事前にメール等で情報交換や課題の洗い出しを行い、会って確認・検討すべきことだけをそぎ落としておく。何のための会議なのかは皆できちんとシェアしているので、無駄なく事を進めることができる。
同じ組織の人間とだらだら夜も飲んだり、二次会に行くなんてことは基本的にない。反面、タイムコスト意識を持つためには、自分で自分の目的や幸せを追求するための時間の使い方を編み出していなければならない。