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「プルトニウム活用」へ動くのか、トリウム燃料に熱視線を送るアメリカの原子力・エネルギー戦略の大転換と日本の対応

13分で読める
アメリカ・ワシントンDCにあるエネルギー省(写真:Getty Images North America)
  • 亀井 敬史 トリウム熔融塩国際フォーラム理事

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アメリカの原子力政策が劇的に変わるかもしれない。アメリカが国内の余剰プルトニウムをどう活用すべきかを考え始めたためだ。

アメリカ・エネルギー省(DOE)の原子力局が「余剰プルトニウム活用プログラム(Surplus Plutonium Utilization Program)」に関する募集要項(募集番号 DE-FOA-0003594)を発行した。2025年10月21日のことだ。

ここで対象となるのは、核兵器関連施設などでDOEが保有する余剰プルトニウムで、兵器級プルトニウムを中心に、燃料級・原子炉級、ZPPR燃料など約19.7トンが含まれる。

アメリカ・エネルギー省の募集要項

資料に示されている利用可能なプルトニウムのリスト(合計約19.7トン)の内訳を見ると、Weapon Grade(兵器級:Pu-240含有率 <7%)が約7.1トン、Fuel + Reactor Grade(燃料級・原子炉級:Pu-240含有率 >7%)が約3トン、ZPPR(ゼロ出力プルトニウム炉用燃料)が約3トン、Plutonium-Bearing Materials(各種プルトニウム含有物質)が約6.6トンだ。

この募集が行われた背景には、トランプ大統領の大統領令(EO 14299およびEO 14302)がある。DOEのインベントリ(全在庫品)内の利用可能なウラン・プルトニウムをリサイクル/再処理し、アメリカ国内の原子炉用燃料として民間に活用・処分するプログラムを立ち上げることで、アメリカの核産業基盤を活性化し、安全保障のための先進原子力技術を展開する目的がある。

こう書くと読者は「プルトニウム? 原子力に使っていたのではないのですか」と思うかもしれない。

原子力の利用は、核分裂性物質であるウラン235が天然ウランにはわずか0.7%しか含まれないため、その黎明期からウラン238を核分裂性物質であるプルトニウムに転換することで、膨大なエネルギーを大量に供給しうる道を開拓してきた。

アメリカでもウランを効率よくプルトニウムに転換する方法として高速増殖炉の開発を進め、並行して軽水炉の使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムを取り出す方針を進めていた。その折、1974年にインドが天然ウランをカナダから導入した重水炉で使用してプルトニウムを生成し、その使用済み核燃料から取り出したプルトニウムをもとに核実験を行った。

このことに危機感を抱いた当時のカーター大統領が77年にアメリカ内のプルトニウムの再利用を無期限延期した。これにより現在まで、アメリカでのプルトニウム利用は事実上、停止している。

ジョージ・W・ブッシュ大統領の時代(在任2001~09年)の06年に、アメリカは「国際原子力エネルギー・パートナーシップ」(GNEP)を提唱し、高速炉の開発再開とプルトニウムを再処理により取り出すことを目指したが、GNEPの国内商業再処理計画は09年にオバマ政権によって終了させられた。その後も再処理・燃料リサイクルに関する研究開発は継続されたが、商業的な再処理政策を前面に掲げることはなかった。

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