アメリカ、デンマーク王国、デンマーク自治領グリーンランドが2026年9月22日、ニューヨークで開かれた国連総会に合わせて会談し、新たな防衛協定に署名した(合意の発表は同月18日。今後、デンマークとグリーンランドの両議会による批准が必要となる)。
同協定は1951年にアメリカ・デンマーク間で締結された「グリーンランド防衛協定」を改定し、2004年にグリーンランドも加わった3者間で締結された「イガリク協定」を補足する内容の協定である。
アメリカはなぜ新たな防衛協定を必要としたのか
アメリカのドナルド・J・トランプ大統領は、「グリーンランドは鉱物資源のためではなく、国家安全保障のために必要だ。グリーンランドの海岸線を見渡せば、至る所にロシアと中国の船舶がいる。われわれはそこを手に入れる必要がある」とたびたび訴えてきた。
トランプ氏は2026年1月、関税や軍事力の行使の可能性をほのめかし、グリーンランドの権利・管理権の獲得を試みた。しかし、関税対象となったヨーロッパ8カ国とEUが激しく反発し、アメリカ上院の超党派議員もNATO(北大西洋条約機構)加盟国の領土の占領・併合を禁止する「NATO結束保護法案」を提出したため、トランプ氏は「併合」や「買収」を断念した。
そこで、デンマークの主権およびグリーンランドの自決権の尊重を前提条件として、1951年協定の改定協議を本格化させた。3者はグリーンランドにおけるアメリカ軍の防衛拠点を拡大し、「NATO非加盟国」による参入や投資を制限・排除する枠組みなどに合意した。
中国最北部は、北極点から直線距離で約4000キロメートル、北極圏境界線から約1450キロメートルに位置しており、北極から近いとは言えない。しかし近年、中国は自らを「近北極国家」(Near-Arctic State)と位置づけ、「氷上のシルクロード」の構築を目指している。
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