日本人が「ラオス」の国名を目や耳にすると、「メコン河の水力エネルギー」と「重要鉱物」が豊富、というイメージが真っ先に浮かぶのではなかろうか。ラオス北部から中部地域には、中国南部と同じ特徴を有するレアアース鉱床が広がり、ハイテク機器に不可欠なディスプロシウムやテルビウムなどの重希土類元素が豊富である。
それに加えて、中国と国境を接し東南アジア内陸部の結節点となるラオスには、地政学的な重要性がある。だからこそ、日本政府は、2025年に国交樹立70周年を迎えたラオスと、両国関係を15年の「戦略的パートナーシップ」から25年1月に「包括的・戦略的パートナーシップ」へ格上げした。また、外務・防衛分野での次官級会議も立ち上げた。
中国南部と同じ特徴のレアアース鉱床が豊富なラオス
2026年6月には、高市早苗総理が、訪日したソーンサイ・シーパンドン首相との首脳会談で、「包括的・戦略的パートナーシップ」下で「進化した自由で開かれたインド太平洋」(進化版FOIP)の実現に向けて、地域を共に強くし、豊かにしていきたい、と述べた。
2026年5月に日本政府が打ち出した「進化版FOIP」とは、2016年に安倍晋三政権が発表したFOIPの中核的な理念を堅持しつつ、①「エネルギー・重要物資のサプライチェーン強靱化を含む人工知能(AI)・データ時代の経済基盤の構築」、②「官民一体での経済成長機会の共創とルールの共有」、③「地域の平和と安定のための安全保障分野での連携拡充」の3本柱を重点的に取り組む外交指針である。
日本が「進化版FOIP」の①と③の2つの柱で期待していたラオスであったが、中国との国交樹立65周年を迎えた2026年、経済のみならず軍事においても、中国の勢力圏に組み込まれている姿を露わにした。
中国国防部は、ラオスの首都ビエンチャンから北へ約50キロメートルにあるバンクーン(Ban Keun)空港で「合同支援・訓練センター」と「中国・ラオス友好航空学院」の正式な運用を2026年9月29日に開始した、と発表した。中国はラオスと同施設を共同で管理・運用していく。
米英豪のメディアが報じる衛星画像には、1年前は農地や未舗装であった場所に、新しい建物や舗装された滑走路、平行誘導路、駐機場などが写し出されていた。衛星で写された滑走路では、大規模な拡張工事が行われている。
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