ロシア連邦保安局(FSB)は2026年10月13日、極東サハリン州にある、北海道新聞ユジノサハリンスク支局の今井裕紀記者をスパイ容疑で拘束したと発表した。
ロシアの通信社インターファクスによれば、FSBは、今井記者が千島列島や北方領土からウクライナ戦争に参加した兵士について情報収集をしており、ロシアの防衛能力に関する情報を集めていたと主張している。
ホテルで拘束されモスクワに移送、2カ月の勾留
今井記者はロシアを出国する直前に宿泊先のホテルで拘束され、モスクワへ移送された。モスクワの裁判所は約2カ月の勾留を認めた。FSBは拘束時の映像も公開している。
映像はロシア当局が編集したもので、撮影日時や前後の経緯がすべて明らかになっているわけではない。
ロシア刑法276条のスパイ罪は、外国人などによる国家機密の収集・引き渡しや、外国の情報機関のためにロシアの安全保障に関わる情報を収集する行為などを対象としている。有罪になれば10年から20年の懲役判決が下される可能性がある。
北海道新聞社は13日、事件について詳細を確認中と説明した。在ロシア日本大使館も事実関係の確認を進めているとした。
さらにFSBは、今井記者が「日本の情報機関の指示により情報収集をしていた」とする。一方で、日本のどの情報機関が指示を出したとされるのか、指示がどのような方法で伝えられたのか、具体的にどの情報が秘密情報に該当するのかをFSBは明らかにしていない。
ロシアで日本人記者が拘束されたケースはある。19年12月に共同通信記者がウラジオストクで拘束された。現地で取材目的などについて事情聴取を受け、5時間拘束された後に釈放。72時間以内の国外退去をするよう告げられ、記者は拘束翌日に出国した。
今回の事件が深刻なのは、「スパイ罪」という罪で刑事事件として立件され、司法手続きが進んでいる点だ。この点を考えると、むしろ23年3月にロシア中部・エカテリンブルクで取材中にFSBによって拘束された米紙ウォールストリート・ジャーナルのエバン・ゲルシコビッチ記者のケースに近い。
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