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「果物は特別な日のものではなく、もっと日常的に食べてもらいたいんです」
声を振り絞るように話すのは、御年78歳の青木フルーツ株式会社会長、青木信博さんだ。1924年、バナナの卸売でグループ会社を創業した同社の3代目。前編で記したように、時代の変化に対応して、生搾りジュース専門店「果汁工房果琳」を含むジューススタンドを全国190店舗へと拡大してきた。
果物摂取量が不足している日本人
なぜ「日常」にこだわるのか。それは、果物には健康に欠かせない栄養素がたくさん含まれているにもかかわらず、日本人はあまり食べていないからだ。日本人1人1日当たりの果物摂取量は78.1g(※1)で、推奨される200gの半分にも満たない。
加えて、最近の日本の農家では、収穫量も減っているという。
「農家さんは、日本一良いものを作らないといけないと思って、必要以上に手をかけ過ぎているんです。それで生産量は減っているのが現実で」
「手間をかけ」「品質を高め」「付加価値をつけ」「高く売る」、いわゆる「過剰品質」のような動きが、農産物にも広がっているというのだ。だから青木さんは農家に出向いて、こうお願いしている。
「完璧な見た目でなくてもいい。傷があってもいい。形にもこだわらないので、おいしさは変わらない果物をください」
ジュースにするのだから、多少の傷があってもいい。それよりも、安く、安定して仕入れ、とにかく多くの人に飲んでほしいと考えている。
とはいえ、果物そのものを原料に使う生搾りジュースは、決して原価の低い商売ではない。では、どうすれば仕入れ価格を抑えながら、おいしさも保って提供できるのか。
そこには、青木フルーツが培ってきた果物を扱うノウハウと、人の力があった。
※1 厚生労働省 令和6年「国民健康・栄養調査結果の概要」より
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001603146.pdf


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