どうやって「ちょうどいい熟し方」を見極めているのか。追熟の具体的な方法は「企業秘密」として語ってもらえなかったが、果物は追熟の過程で、含まれるデンプンが酵素の働きによって糖に変わり、甘みが増していくという。
例えば洋梨は、収穫して木から離れると追熟が進み、デンプンが糖へと変わっていく。その進み方は品種によって異なるため、それぞれの性質を知り、どのタイミングで、どの状態に仕上げるかを見極める必要がある。
「新鮮=おいしい」というわけではない。果物ごとに、おいしくなるタイミングがあるのだ。そして、果物をおいしいジュースにするには、熟度だけでなく、搾り方や扱い方にも工夫が必要になる。
例えばキウイ。世界的に見ても、キウイを使った生搾りジュースは珍しいという。なぜなら、キウイをミキサーにかけて飲むと、喉がイガイガするからだ。果汁工房果琳でも商品化する際、この問題が浮上した。そこで、キウイ特有のイガイガを抑えながらおいしさを引き出すため、ミキサーの使い方を工夫。試行錯誤を重ね、キウイを生のジュースで楽しめるようにした。
「熟度を見極めるのが、果物を愛するということだと思っています」
果汁工房果琳のジュースを支えているのは、単に新鮮な果物を仕入れることではない。果物ごとの「おいしい瞬間」を知り、それを店までつなぐ技術なのだ。
その果物をどうやって確保しているのか。仕入れや配送にも、果物専門店ならではの工夫があった。
「いい果物」を届ける構造
青木フルーツが扱う果物は、国産が6割、海外産が4割。バナナやオレンジ、グレープフルーツ、キウイなどは海外から調達している。国産については、産地から直接仕入れるものと、市場を通して仕入れるものの両方がある。
仕入れた果物は、埼玉と大阪にある2つの拠点を中継地点とし、各店舗へと配送する。配送は週3回程度。全国190店舗を網羅するデリバリーシステムがあるのだ。
また、配送は果実ごとに、3段階の温度帯に区別される。常温、冷蔵、冷凍だ。コストはかかるが、果実の鮮度や品質を保ったまま店舗へ届けるためには欠かせない仕組みだという。例えばスイカは、生のまま丸ごと一玉を店舗へ届け、店でカットして種を取る。一方、ブルーベリーはアメリカ・カリフォルニア産の冷凍品をそのまま店に届ける。


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