熟度の管理は店舗側で行い、果物ごとに状態を見極めながら、ジュースとして使用できる適切なタイミングで客に提供している。
国産の果樹は、20年で作付面積53%減、単価196%増
こうした仕入れの工夫の背景には、果物の価格上昇もある。国内の果樹作付面積はこの20年で53%減少する一方、単価は196%上昇した。
「つまり物量は半分になっていて、単価は倍になっているんです。生産者の高齢化や後継者不足がある上に、20年間で収入がほとんど変わらないことが原因です。これからさらに生産者も減るでしょうね……」
そこで青木フルーツが産地に持ちかけているのが、ジュースにすることを前提とした「用途別栽培」だ。
見た目の美しさよりも味を重視し、栽培の手間も減らす。ジュースなら、多少の傷や形の不揃いは問題にならないからだ。長野、山梨、熊本などのぶどうやみかんの産地で導入が進み、生産者の収入が2~3割増えたケースもあるという。
用途に合わせて必要な品質を決めることで、生産者と買い手、双方にメリットが生まれているのだ。
一方で、現在のような円安では、海外からの仕入れも高くなるのではないか。そう尋ねると青木さんは、為替だけを見て仕入れ先を決めているわけではないと答えた。
「円安だから海外から買わないということはないです。価格条件を見極め、買う国を変えています。例えばオレンジは、カリフォルニアからオーストラリアへ調達先を変更しました」
日本であれば、台風や地震など、天候や災害への備えも欠かせない。とはいえ、青木フルーツが調達する量は、国内の総生産量から見れば数%にすぎない。一つの産地に依存せず、複数の産地から仕入れることで、どこかの産地が不作や災害に見舞われても、全体への影響を抑えられるという。
また、「傷があってもいい」というのは、単に安く仕入れたいというだけではない。生産者の選別作業などの負担を減らし、これまで行き場を失っていた果物を、ジュースとして有効に活用したい。1年に1度しか実らない果物だからこそ、せっかく育てたものを無駄にせず、一人でも多くの客に味わってもらいたいという思いもある。


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