「課長、なるほどです」
商社の営業課長(40代)は、この部下の言葉にいつも引っかかっている。アドバイスをすると、いつも「なるほど」と口にする。商談の場でも同じだった。お客様に何かを言われるたびに「なるほどぉ~」「なるほどです」を繰り返す。それを聞いて苦笑いするお客様も多い。
部下に悪気はないだろう。しかし、その言葉が相手を微妙な気持ちにさせているのを、本人は気づいていない。他にも、部下が使う言葉で気になる表現がいくつかある。
そこで今回は、「なるほど」「そうなんですね」「すごい」といったフレーズが、なぜビジネスの場でマイナスになるのかを解説する。言葉遣いに自信が持てない若手社員はもちろん、部下の指導に悩む管理職も、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
「なるほど」が失礼にあたる本当の理由
ちなみに「なるほど」は日本語として問題ない言葉だ。辞書を引けば「相手の言うことを十分に理解した」という意味が出てくる。日常会話では自然に使われる。
しかし、目上の人やお客様への使用は避けるべきだ。
なぜか?
「なるほど」には、こういう意味が見え隠れするからだ。
「あなたのおっしゃったことを、私の基準で確かめてみたところ、たしかにそのとおりでした」
お客様や上司が何かを伝えてくれたとき、相手は「教えてあげた」「お願いした」「報告した」という立場にいる。そこに「なるほど」と返されると、格下の相手に採点されたような気持ちになる。だから引っかかるのだ。
「なるほど、そうきましたか」
という使い方も同様に、少し上から目線だ。「ほう、そういう手を使うか」という読み合いのニュアンスが加わってしまう。これには商談相手も苦笑いだ。
「こちらの価格、5%ほど値引きしていただくわけには、いきませんか?」
「なるほど、値引きですか……」
合意や譲歩の意味でも使われる微妙な言葉だ。ビジネスの場では特に注意したい。

