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ライフ #外食ビジネスのハテナ特捜最前線Ⅱ

創業者が手放したチェーンが、コロナ禍「152%成長」へ…祖父の"料理帖"を孫が継いだ天丼店「金子半之助」異色のM&Aの真相

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天丼チェーン「金子半之助」の天丼
豪快に盛り付けされる江戸前天丼(写真:オイシーズ)
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「常連だったお客さんからの評判も良く、百貨店の地下食品売り場からのオファーも増えました。そこで一気に出店できて、外食の落ち込みを中食の伸びで補えたんです」

結果として、コロナ禍は単なる逆風ではなく、新たな販路と顧客層を獲得する転機にもなった。百貨店は、これまで「金子半之助」を知らなかった層に届く場所だったのだ。外食で築いてきたブランドが、中食という形で新たな接点を得たことで、認知と販路、その両方が一気に広がった。

こうして「金子半之助」の売り上げは2021年度に前年比125%、2022年度152%と急伸。その後も115〜139%の2桁成長を維持し続けた。

タレだけではなく、レシピ帳ごと託される

仕上げのタレかけ(写真:オイシーズ)

オイシーズから創業者への敬意は、タレの継承にも表れている。

国内外に店舗が広がる中、天丼にとって核となるタレはM&Aでどんな形で引き継がれたのか、気になって聞いてみると、「半之助さんが書いたレシピ帳ごと受け継ぎました」と工藤社長。そう、あの「料理帖」だ。

オイシーズはこれを大切に保管し、秘密を守っている。

実際、門外不出のタレの作り方を知る者は社内でも1〜2人だけ。創業時からタレの再現に携わったメンバーが今も守り続け、調合されたタレは瓶詰めにされて国内外の全店舗へ送り届けられるという。

ーーまるで創業者のような振る舞いではないか。

取材の中で、時々筆者はそう感じた。M&Aで事業を引き継いだ企業とは思えない熱量が、言葉の端々から伝わってきたからだ。

「チェーン店であれば、仕組み化してフォーマット化していくというのが一般的だと思います。でも我々は少し違うんです」と工藤社長は言う。

中食の渋谷東急フードショー店(写真:オイシーズ)
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