「創業者から引き継いだものを大切に事業化する。その中で、お客さんがブランドの価値として感じてくれているものを手を抜かずに残し、磨き、展開していきたい。それがグループ全体に根強く流れる考え方です」
「金子半之助」が大切にしていた「粋で豪快」という合言葉は、オイシーズの入社研修でも日常のオペレーションでも使われ続け、今も全社員の共通言語だ。「店舗数や売り上げだけが目標ではない」と工藤社長は言い切る。
「まだ誰も試していないページがある」
長瀬さんは「料理帖」について、こんなことも口にした。
「天丼だけでなく、焼物や煮物など、まだ誰も試していないページがたくさんあります。その中から今後必ず、新しい料理が生まれると思います」
「金子半之助」というブランドは、秘伝のタレと「粋で豪快」という思い、そして、過去に書き記されたレシピの復活の可能性ごと、引き継がれているのだ。
しかし、国内38店舗・海外23店舗という規模で、おいしさと「粋で豪快」を届けるには、思いだけでは足りない。
職人の技を、どう仕組みに落とし込んでいるのか。なぜ職人の味は崩れないのか。
その答えは、後編にある。

