夫婦のもとにやってきた天使
「夫は、『マロンくんは天使だ』なんて言うんですよ」
海外赴任する息子から預かった一匹のフェレットが、子育てを終えた夫婦の部屋に新しい香りを運んできた。名前は「マロン」くん。
長い体に対して小ぶりな顔は、イタチというよりタヌキのようだ。真ん中についた薄桃色の鼻は、湿っていて柔らかい。体つきはイタチそのものだが、顔つきだけは幼さを残す。イタチが家畜化される過程で強まった、典型的なネオテニー(幼形成熟)の特徴だろう。
表面の毛は乾いて硬く、指を奥に滑り込ませると柔らかい温かさに包まれる。天真爛漫で好奇心旺盛な瞳に見つめられ、夫婦は瞬時にとりこになっていた。
「もう、孫がうちに来たっていう感じなんですよ」



















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