すき家「インフレ下で最高益」が示す不都合な現実 貧しい日本人は安いチェーンにしか行けない時代

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こうした容器については「味気ない」「環境的にどうなのか」などの意見も散見されたものの、決算でのゼンショーホールディングスの好調ぶりを見ると、こうした政策も受け入れられているといえる。

地球環境より、我が家の家計のほうが大事……とまで消費者が考えているかはわからないものの、インフレ時代の家計の強い味方として君臨しているのは間違いない。

郊外・ファミリーに向けたすき家の強さ 

すき家を考えるとき、他の牛丼チェーンとのポジション取りも功を奏したと思われる。 

もともとすき家のオープンは1982年。横浜市の生麦に誕生している。すでに吉野家などがシェアを持っていた牛丼チェーンの中では後発の存在だが、それゆえに既存の牛丼店とは異なる戦略を取っていく。その一つが、それまで牛丼店やがターゲットにしていなかったファミリー層を狙ったこと。 

創業の地が郊外だったこともあって郊外を中心に出店を増やし、メニューについてもさまざまなトッピングを施した牛丼や、ミニサイズの牛丼、またカレーなどの牛丼以外のメニューにも力を入れた。ある意味「ファミレス」的な戦略を採っていったわけだ。 

すき家
サラダメニューなども充実しているのがすき家だ(筆者撮影) 
Sukiシェイク
スイーツにも力を入れており、現在は「Sukiシェイク」を販売している(筆者撮影) 
初期の頃から店内には意識的にテーブル席を配置。これによって、ファミリー層の需要などにも対応した(筆者撮影) 
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