中国で大苦戦する日本車、中堅メーカーの行方 撤退準備進める三菱自、反転攻勢を期すマツダ

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2022年末にはNEVの普及を後押ししてきた補助金が打ち切られた。しかし、2023年1月~5月のNEV販売は46.8%増の294万台と勢いは衰えていない。青山専務も「われわれの想定以上に新エネルギー車、NEVへのシフトが進んできた」と市場を読み違えたことを認める。

前述したとおり、マツダの2022年度の中国販売は約半減だったが、2023年1~3月は7割弱の減少で、反転の兆しは見えていない。

そもそもマツダは中国での商品ラインナップが少ないという不利な状況にある。現状、中国で販売しているのは、CX-50を含めて7車種。そのうちNEVは「CX-30」のEVモデルのみ。日系メーカーでも、トヨタやホンダは全体で20車種以上を取りそろえ、EVも複数車種を展開している。

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マツダも4月に、2025年までにBEVとプラグインハイブリッド(PHEV)を設定した2車種を中国で発売すると発表した。現地の合弁相手である長安汽車と共同で開発する予定だ。とはいえ、足元の販売テコ入れにはつながらない。その間もアメリカのテスラや中国BYDは先を行く。

中国では競争環境の激化などを背景に各メーカーの値下げ合戦が勃発した。足元は一服しているものの、競争が厳しいことに変わりはない。みずほ銀行ビジネスソリューション部の湯進・主任研究員は「大手は(値下げ競争に)対応できるが、中堅は厳しい」と指摘する。グローバルで100万台規模の中堅メーカーであるマツダにとって厳しい戦いを強いられる。

加えて、中国の消費者ニーズにも変化が見られる。ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹・代表アナリストは、「中国の消費者は、EVというより自動車に搭載されているソフトウェアに完璧に魅了されてしまっており、もう元には戻らないだろう」と分析する。自動車のソフトウェア化でも中国メーカーは先を行っており、日系メーカーは劣勢だ。

はたしてマツダは中国市場に踏みとどまることができるのか。規模の大きい上位メーカーにとっても他人ごとではなさそうだ。

村松 魁理 東洋経済 記者

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むらまつ かいり / Kairi Muramatsu

自動車業界、工作機械・ロボット業界を担当。大学では金融工学を学ぶ。趣味は読書とランニング。パンクロックとバスケットボールが好き。東京都出身。

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横山 隼也 東洋経済 記者

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よこやま じゅんや / Junya Yokoyama

報道部で、トヨタ自動車やホンダなど自動車業界を担当。地方紙などを経て、2020年9月に東洋経済新報社入社。好きなものは、サッカー、サウナ、ビール(大手もクラフトも)。1991年生まれ。

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