「45歳の壁」を乗り越えた人だけが手にするもの 中高年を襲う「こころの定年」あなたは大丈夫?

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子どもの頃からものづくりが得意だった会社員が、師匠について職人を目指す、小学生の頃にテレビで観た海外の豊かな生活にあこがれて海外移住の準備をする人、実家が農家で、収穫の喜びが忘れられないと言って、50代から兼業で農業に取り組む人などなど。かつての思いや途中でやり残したことにもう一度取り組んでいる人は少なくありません。

会社で得た経験を世の中で活かす

質問その2は、「いままでの仕事で極めたスキルは何?」です。

20年以上も会社で仕事をやってきた人は、いろいろな技やノウハウ、人脈を持っています。そうやって得たスキルや経験を会社の外や社会で活かすことを考えてみるのです。

メーカーの研究部門で長く働いて得た技術を活かして新たな分野の研究で起業を目指す人、営業力を生かして取引先の若手営業マンの指導を任されることによって定年後の働き口を見つけている人もいました。彼は、「若い人たちが成長していく姿を見ることが何よりの喜びだ」と語っています。

自身でコーチングを学んだ人が、それを活かして人事部門の研修役に異動して、退職後は個人事業主として会社の研修を引き受けている人、海外勤務の経験をもとにアジアに進出しようとする中小企業へのアドバイザーを副業でやっている人、人事部門で長く務めた経験を生かして、社会保険労務士、人事コンサルタントで独立するための準備をしている人などなどです。

また「自分をどこに持っていけば役立つのか」という観点も大切です。ある企業の経理で働いている人は、週末に老人ホームの運営をしている会社の経理処理のお手伝いに行っています。この組織では介護士や福祉士といった介護分野の専門家はいるのですが、経理を回せる人がいないのです。先方からは重宝されて「正社員で来てくれないか」と言われています。

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