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自衛隊の医官をはじめ衛生従事者の不作為で、自衛官は戦争になれば「犬死」する。彼らは当事者能力がない。諸外国の軍隊ではありえないほどの非常識がまかり通っており、実戦をまったく想定していない。このまま実際に戦闘や戦争が起これば、他国の軍隊であれば助かる隊員が十分な治療を受けることなく犬死を強要されることになる。
防衛省は防衛費拡大に伴って衛生の体制を強化するという。2027年度概算要求では「第一線から後送先病院までのシームレスな医療・後送態勢を確立するため、事態対処時等において負傷した隊員の救護・治療能力の強化や後送先となる自衛隊病院の機能強化を推進するとともに、持続的な対応能力の向上に必要な衛生資器材の確保などを推進」するとうたっている。
医官が圧倒的に足りない現実
だが、自衛隊の医官は圧倒的に足りない。筆者は歴代の防衛大臣に自衛隊の医官の充足率について会見で質問してきた。回答はすべて判を押したように「医官の充足率は9割を超えており、何の問題もない」というものだった。現在の小泉進次郎大臣も同様に答弁している。これは事実ではない。2021年度末では67.1パーセントにすぎない。
では、なぜ9割の充足率で部隊の医官充足率が実際には2割程度であり、本来医官が搭乗すべき護衛艦や潜水艦に医官が搭乗していないのか。なぜ駐屯地に医科医官がおらず、大きな駐屯地では歯科医官が可能な業務範囲で代行して処方しているのか。小さな駐屯地では医官の包括的指示に基づき、衛生当直勤務者の准看護師がOTC医薬品の痛み止めや風邪薬を配ってしのいでいるのはなぜか。それを説明できない。
現在の医官の定員は約1100名、2004年にイラク南部サマワに陸上自衛隊部隊の派遣を始めるまでは約2300名はいた。イラク派遣が決定して以降、約700名が辞めた。その医科医官の減少数に帳尻を合わせるために、衛生科部隊の数を減らして定めたのが今の定員数だ。
衛生科部隊再編にあたり形ばかりの研究はしているが、実は現代戦に対応したものでもなければ、戦傷病学的根拠に基づいたものでもない。
陸自では衛生科部隊改編以前は、作戦基本単位である1個連隊戦闘団に1カ所の野外治療施設を開設できた。1個師団に4個普通科連隊がある場合は、4カ所の野外治療施設を設置して支援していたが、2011年の東日本大震災の前には1個師団、1個旅団に1カ所の野外治療施設しか開設できなくなっていた。野外治療施設の開設能力が4分の1に減少したため、大規模自然災害の医療支援が不可能になって20年になろうとしている。
防衛省の言う「1100名が定員の医科医官には約990名がおり、充足率は9割以上」には、からくりがある。1100名の中に250名の歯科医官が含まれている。本来彼らは医官に含めない。
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