名古屋駅前にある中華料理店に来ている。建築現場での仕事の昼休みに来てくれたのは、自営業の渡辺義之さん(仮名、53歳)。その傍らでは、明るい色に染めた髪と、よく日焼けした肌が印象的な早紀さん(仮名、45歳)が笑っている。早紀さんは妊娠10カ月。2人はその前から同棲をしていて、先日婚姻届を提出したばかりだ。
義之さんには2度の離婚歴がある。2度目の結婚では、前妻とともに3人の子どもを育て、18年間一緒に暮らしていた。離婚するまでの3年ほどは、ほぼ別居状態で、早紀さんとの交際も時期的に少し重なっている。客観的には不倫だが、早紀さんには迷いも不安もなかったようだ。まずは義之さんの話を聞こう。
「高校を卒業して地元の建築会社に就職しました。最初に結婚したのは21歳のとき。相手は高校時代から付き合っていた彼女です。2年後に離婚しました」
家庭を顧みずに働いていた結果…
高校時代までスポーツで体を鍛えていたという義之さん。今は年齢相応の外見だが、俊敏さを内に秘めているようで、精悍な印象を受ける。仕事に没頭するほうで、当時の風潮もあって、早朝から日付が変わるまで働き、仕事仲間と飲みに行くことも多かった。
「つまり、家庭を顧みずに働いていたんです。ある日、外で飲んでから家に帰ったらもぬけの殻になっていました。彼女も働くようになってすぐのことです。男ができたのかな、と思いましたが、そこは追及せずに別れました。女性が一度決めたら、後から何をしても元に戻りませんから」


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