お互いに50代でのマッチングアプリ初婚、海外での夫婦別姓リーガル婚、そして性愛を伴わない結婚生活。現代的な晩婚要素を詰め込んだような夫婦がいる。東京郊外で暮らしている清水晴幸さん(仮名、54歳)と北条由紀子さん(仮名、53歳)だ。
本連載の出演申し込みフォームから連絡をくれたのは妻の由紀子さん。職業はフリーの編集・ライターなので、筆者とほぼ同業である。インタビュー場所は新宿以西を希望する由紀子さんのために、府中駅前にある老舗居酒屋を予約した。
山岳部と10年の恋
「子どもの頃にちょっとしたいじめに遭い、コンプレックスがありました。大学で山岳部に入ったのはそんな自分を鍛え直すためです。男性のようにはハイレベルの登山はできず、コンプレックス克服には至りませんでしたが、学生時代から10年近く付き合った彼氏も登山仲間です。山に対するストイックな姿勢が好きでした」
だが、彼は卒業後に彼は家業を継ぎ、結婚相手には家に入ってほしかったようだ。由紀子さんは新卒で出版社に入り、仕事で何かを成し遂げようと必死だったため、彼と一緒になることはできなかった。
「あまりに悲しくて、別れてから1年間ぐらいは自分が号泣する声で朝に目を覚ましていたほどです」と振り返る。


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