その後も猛烈に働いていた由紀子さんは、40歳を目前にして燃え尽きてしまう。退職して海外に行き、1カ月で800キロを歩く「巡礼の旅」をした。帰国後は興味のある商品を扱う輸入代理店に就職したがすぐに退職。フリーランスの編集・ライターとして独立した。今から10年前のことだ。
「私の専門分野のニーズが多い時期だったので、滑り出しは順調でした。男性と仕事上でおしゃべりをしていてやっぱり楽しいなと感じたのもその頃です。婚活は(年齢などの)数字でまずは判断される世界なので、50歳になる前に、と思ってマッチングアプリを始めました」
「素の自分」で相手と向き合う
15年ぶりの婚活で由紀子さんが留意したことがある。インタビューモードでも高飛車な態度でもなく、「素の自分」で相手と向き合うことだ。
「以前も嘘をついていたわけではありません。でも、精神面で虚勢を張っていました。それではうまくいかないと気づき、基本的な情報を相手にきちんと伝えることを意識しました」
ほとんど唯一の条件は「アウトドアを一緒に楽しめる人」だ。由紀子さんは「普通の人よりは高い登山技術」を活かしたいと思っており、パートナーにもややハードな登山ができる人を求めていた。
マッチングアプリで会えた男性は3人。うち2人は希望通りのアウトドア系だった。むしろ由紀子さん以上の実力と情熱の持ち主で、いきなり競技用の自転車に乗りながらのデートをしたり、山から一緒に下りてきたと思ったらそのままランニングをしたり。由紀子さんはそれも楽しんだが、寄り添い合える相手ではないと感じた。


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